"別れとは、再会するためにあるものだ"

タイトルの言葉は、あるドラマでのセリフでとても印象に残ったので、使わせていただきました。そんな出会いも含めて、人間って、仕事って、生活って、女性って、・・・と様々なことを記していきます。

土曜日, 10月 13, 2007

著名人の講演会

 うちの会社では毎年角界の著名人をお招きして「プロフェッショナル」について講演会を開く催事がある。今週水曜に、アルピニストの野口健さんの公演を聞く機会があった。まず驚いたのが、1973年生まれのまだ34歳だったこと。予想よりかなり若い。お父様は東大卒の大使館員で、育ちの良さは話から推測できたが頭の思考回路は万人とはかけ離れている。高校時代にケンカで停学処分になった時に、普通は自宅謹慎だが父親の勧めで旅をしろ、ということで日本各地を旅して周り、そこで故植村直美に関する書物を読み登山の世界にのめり込んでいった。そこから10代で次々と世界の名峰(マッキンリーやキリマンジャロなど)を踏破し、大学を卒業するまでに全6大陸の最高峰に当時最年少で踏破成功、という記録を打ち立てた。いくらお金持ちのお坊ちゃんでも、父親は資金は自分で調達しろ、ということだったので、学生時代から企業のスポンサー活動に勤しんでいたとのこと。そんな苦しい資金調達活動から、名峰登山で数々の友人が目の前で死んでいく様を語ってくれたのだが、エベレスト登頂の話では下界とは全く異なる別世界のようで、まさに人間の極限状態の中で様々な判断を的確に行えず、死へ続く感覚を一度だけ実感されたこともあると言う。それでも野口さんは生きて帰ってきているのだから、見えない世界を見ることができる人間だね。

 もう一つ驚いたのが、TVを通してでしか見たことなかったので割と「真面目な」印象を持っていたけど、話し始めるとビートたけし風な話し方をして、内容もこれまたすごく面白い!厳しい世界の話をほとんど笑いのネタになるような話し方だったので、聞いている方は全く飽きなかった。最近は富士山清掃活動で有名になっているが、世界でもその名は響き渡っているようだ。そんな野口さんが、世界中で素晴らしいところはどこか?という質問に対し、「白神山地」と答えてくれた時には密かに「おー先月俺も行ったばかりで同じく感動したぞー」と心の中で自己満足した。ちょっぴりだけど同じ感動を共有できている、と言うことに嬉しさを感じた一日だった。

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